OS X El Capitanレビュー Mission Controlの変更点と新機能Split View

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OS X El Capitanレビュー

Mission Controlの変更点と新機能Split View

「El Capitan」はAppleのOSである「OS X」の最新アップデートであり、その名称の由来はカリフォルニア州ヨセミテ国立公園にある巨大な一枚岩だ。このことを覚えておいてほしい。アップデートは無償で、米国時間2015年9月30日からダウンロード提供が開始されている。

 

前バージョンの「OS X Yosemite」において、OS Xは大きく様変わりし、見た目が一新され、「iPhone」などの「iOS」デバイスとのギャップを埋める「Continuity」や「Handoff」といった機能が追加されたほか、「Spotlight」にウェブの隅々まで検索できる新機能が導入された。一方、今回のEl Capitanは控え目である。Yosemiteは、OS Xを刷新する新機能の導入が多かったが、El Capitanは、名前の由来となった巨大岩のように、その基盤の上に立っているという印象だ。

もちろん、マルチタスキングの向上や検索の効率化など、機能強化が図られている点はある。パフォーマンスも向上し(Appleの「Metal」プログラミングインターフェースを利用する開発者が増えれば、さらに速くなるだろう)、OS Xネイティブのほとんどのアプリケーションに、日常的な操作に関する細かな機能強化が採用されている。Appleのエコシステムにすっかりなじんでいる人であれば、その世界全体の統一感がさらに少し高まったと感じられるだろう。

El Capitanは大々的な変革ではなく段階的な進化だが、Appleのあくなき効率化の追及に向けた次の一歩であり、その道のりには無数の改良が敷き詰められている。また、過去数年に購入されたほとんどの「Mac」で動作する。「Mavericks」が動作するMacなら、今すぐ移行が可能だ。では、どんな点が新しくなるのかを見ていこう。

El Capitanでは、使い慣れたOS Xネイティブアプリに新しい機能が追加された。一部にはiOSから転用された機能もある。その結果、シンプルさはそのままに機能の幅をさらに広げつつ、コンピュータとモバイルが露骨に互いの領域を侵食するのではなく、両者をさりげなく橋渡しするOSとなった。

 

「Mission Control」による俯瞰的なビュー

AppleのMission Controlは、「OS X Lion」以来、何らかの形で搭載されており、iOSデバイスのマルチタスキングと少し似た動作をする。トラックパッドを3本指で上にスワイプするか、キーボード上のMission Controlボタンを押すか、設定したキーボードショートカットを使えば、実行中のすべてのアプリと仮想デスクトップ(Appleは「Spaces」と呼んでいる)を一目で見ることができる。自由に並べ替えることも、自動的にシャッフルすることもでき、それは使い方次第だ。フルスクリーンモードで実行中のアプリもすべて、ここに表示される。

El Capitanのデスクトップでアプリをクリックして画面の上部までドラッグすると、自動的にMission Controlモードになり、そのアプリを別のデスクトップにドロップできる。単純な小技だが、貴重な数秒を節約でき、後で元に戻すことができる。Mission Control自体も合理化された。デスクトップを俯瞰表示したいだけの場合は、バックグラウンドで実行している他のスペースがタイトルだけの表示になる。バーにマウスカーソルを置くまでサムネイル全体は表示されない。「iMac」や15インチ「MacBook Pro」では、スペースの節約にそれほど意味はないかもしれないが、さまざまな操作をシンプルにするというEl Capitanの重点領域に十分に沿った変更だ。

Mission Controlと同様の機能は、Microsoftも「Windows 10」の「Task View」で導入している。Windowsでは初めて公式に実装された仮想デスクトップだ。Task ViewとMission Controlの機能は似ているが、Appleの実装の方が一定期間の評価を経て熟成してきている。たとえば、Windows 10では今のところ、既存のデスクトップを並べ替える機能はなく、その機能はボタン、キーボードショートカット、タッチジェスチャーに依存している。もちろん、Windows 10はかなり頻繁にアップデートされているので、MicrosoftのOSにこのような操作感の改善が遠からず実装されることは十分に考えられる。

 

「Split View」でのマルチタスキング

マルチタスキングは、Mission Controlへの変更と、「iOS 9」から取り入れられた機能Split Viewにおける中心的な部分だ。原理はiOSの場合と同じであり、Mission Controlモードで、アプリをフルスクリーン表示されている別のアプリの上にドラッグすると、2つのアプリを1つのスペースに結合することができる。最初はそれぞれが画面の半分を占め、黒い垂直バーで仕切られる。そのバーを左右にドラッグすれば一方のアプリを大きく表示することができる。他にも、アプリの左上隅にある緑色のフルスクリーンモードボタンを長押しする方法がある。画面のいずれかの半分が青い輝きで覆われ、アプリを左右にドラッグすると、デスクトップ上の残りのアプリがサムネイルに縮小表示される。Windows 10の「Snap」のような機能だ。1回のクリックでアプリがディスプレイの残り半分を占有するようになる。

人によっては、集中したいときにSplit Viewがかなり役立つだろう。筆者は書き物をするときにMicrosoftの「OneNote」を使うことが多いが、画面の逆側にブラウザを表示しておけば、調べ物が必要になったときや、ソースを追跡するときに使うことができる。また、「Wunderlist」アプリと「Calendar」アプリを別のデスクトップに並べて表示すれば、スケジュールとToDoをいつでも確認できるようになる。左右どちらかのアプリのタイトルバーをドラッグして隣のアプリまで持って行けば、位置を入れ替えることも可能だ。一部のアプリ(Calendarなど)は画面上の表示サイズが最小限なのでそれ以上は縮小しないが、Wunderlistのようなアプリは形を変え、メニューが非表示になってレイアウトが変更され、さらに狭いスペースに押し込めるようになる。

フルスクリーンアプリを使用しない場合や、大きなディスプレイを使っていてデスクトップに十分な作業スペースがある場合は、どれもあまり重要な機能ではないだろう。だが、12インチ「MacBook」のような比較的小型のデバイスでは、大いに効果を発揮する。ウィンドウが多すぎると雑然としてしまうが、かといってウィンドウを1つにすると、デスクトップ間を行き来しなければならないからだ。

もちろん、Split ViewはWindows 7のSnapとよく似ている。SnapはWindows 10で大幅に改良され、Split Viewよりわずかに多用途の機能になった。ディスプレイ上に最大4つのアプリを表示することも(1隅に1つずつ)、アプリを画面の右半分に1つ置いて左側に2つ表示することもできる。AppleのSplit Viewでは逆の問題が生じる。1つのスペースに4つのアプリを重ねるのは、大型ディスプレイでないとあまり意味がないからだ。

 

「Spotlight」での検索

Spotlightは「Mac OS X 10.4 Tiger」からのOS Xの主要機能であり、情報の検索を支援するという役割を一貫して果たしてきた。その「情報」というカテゴリはSpotlightの登場以来、大幅に拡大している。「OS X Yosemite」では、検索の対象が「Mac」上の辞書やファイルだけでなくウェブにまで広がり、Wikipediaの情報や位置情報に基づく検索結果も表示できるようになった。「OS X El Capitan」では、Spotlightの機能がさらに進化している。「weather in Tokyo」(東京の天気)と入力すると、現在の天気と向こう1週間の天気予報が表示される。自然言語による検索にも対応しており、たとえば「photos I took in Oakland last fall」(昨秋にオークランドで撮影した写真)と入力すると、ユーザーの画像コレクションを検索して、条件に合う写真を見つけてくれる。

もっと一般的な情報の検索も可能だ。スポーツチームの名前を入力すれば、直近の試合結果と今後の試合日程が表示される。選手の名前を入力すると、情報カードが表示され、その選手の成績を見ることができる。また、選手のTwitterプロフィールや関連ウェブサイト、最近のニュース記事、その選手が映っている動画へのリンクも見つかることがある。

Spotlightには非常に広範なナレッジベースがあり、探している情報をうまくウェブから見つけてくれるが、まだ一般的なウェブ検索機能は備えていない。あまり知られていないトピックについて情報を検索する。たとえば、Amazonで購入したこの「鋭い声で鳴くニワトリを模した犬用玩具」や、昔プレゼントでもらった「あくびをするトトロのおもちゃ」などだ。「Windows 10」の場合は、「Cortana」がブラウザウィンドウを立ち上げて、「Bing」の検索結果を表示する。Macだと、「No results」(検索結果なし)というメッセージが表示されるだけだ。

ただし、実際にはそうでもない。実行した検索結果は今、この文書の一部に反映されている。Spotlightは几帳面なことが取り柄といったところだ。

 

機能が強化された新しい「Notes」

El CapitanではOS Xの中核的な要素に新機能が導入されただけでなく、一部のAppleネイティブアプリにも磨きがかかっている。特筆すべきはNotesだ。この分野には、「OneNote」やEvernoteなど、競合サービスが多い。Notesはこうした競合の足下にも及ばない。ファイルを保存する場所もなければ、音声メモを取る機能もないからだ。しかし、短いメモを取る静かな場所が欲しいだけなら、Notesで十分だろう。

新しいNotesは旧バージョンから大きく進化しており、基本的なテキスト作成機能が強化されている。チェックリストを手早く作成して、自分用のTo-Doリストを作ることができるほか、テキストの体裁を整えて、多少スタイリッシュなメモに仕上げることもできる。「Safari」などのアプリに組み込まれた「Share」機能を使えば、リンク、写真、動画をメモに追加できる。この機能はサードパーティーアプリでも利用可能だ。「iCloud」で同期すると、「iOS 9」のNotesで作成したメモがMacにも表示される。だからといって、筆者は今使用しているツールからNotesに乗り換えるつもりはないが、特定のアプリにこだわりがなく、多数のApple製デバイスを使っている人なら、このシンプルなツールが十分にニーズに応えてくれるかもしれない。

「Photos」での写真管理

筆者は「Lightroom」のヘビーユーザーなので、AppleのPhotosアプリの権威というわけではない。そのことは認めよう。だが、「iPhoto」の開発が終了してから、折に触れてPhotosを試してきた。同アプリはEl Capitanで、徐々に優秀な軽量写真整理ツールになりつつある。

「iPhone」で写真を撮影し、「iCloud Photo Library」を有効にするか、写真をMacに同期している人は、おそらくライブラリが相当なサイズになっているはずだ。El Capitanでは、アルバムをソートするツールや、画像のグループを選択して1回のクリックで撮影地を追加できるツールが新たに追加された。少なくともPhotosにとっては新しいツールだ。iPhotoのファンだった人なら、このような基本的な機能はPhotosへの移行前からあったことを覚えているだろう。とはいえ、原点回帰は喜ばしいことだ。「iPhone 6s」や「iPhone 6s Plus」で撮影した「Live Photos」もPhotosに表示される。プレビューの際に画像の「Live」バッジにカーソルを重ねると、画像が動き出す。

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